ウズベキスタンの近況

日本との関係や経済状況など

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ウズベキスタンの経済や国際問題となっているアラル海など、少しコアなお話をお届けします。
日本とのこれまでの歩みをご覧いただければ、より一層親しみを感じられるのではないでしょうか。

日本との関係

政治関係

国家承認 1991年12月28日
外交関係開設日 1992年1月26日
在ウズベキスタン日本大使館 開館 1993年1月
在日ウズベキスタン大使館 開館 1996年2月
両国関係は良好に進展し、双方の大使館を開設済み。人的交流も活発である。政治・経済、科学技術、文化・スポーツ・教育、観光を含む様々な分野における両国間の交流の拡大が期待されている。
2011年2月、カリモフ大統領が3度目の来日をし、菅首相と日本・ウズベキスタン首脳会談が行われた。鉱物資源開発の協力をはじめ、戦略的パートナーシップに基づく協力関係強化について協議され、その重要性を再確認した。
また、古代仏教遺跡等の文化遺産保存について日本側の協力や、大学間交流(留学生・青年間交流)の相互協力への期待も表明した。

二国間条約等

1994年5月 日ソ間で結んだ条約の継承を確認
2003年12月 日本・ウズベキスタン空港協定署名
2006年6月 日本・ウズベキスタン技術協力協定署名
2008年8月 日本・ウズベキスタン投資協定署名

在ウズベキスタン日系企業:16社(2010年8月現在)

【駐在員事務所】
伊藤忠商事、住友商事、丸紅、三井物産、三菱商事、豊田通商、日本電気、清水建設、
日本交通技術、海外貨物検査、ユーラシア交易

【現地法人】
ITS Nippon Ltd、マルコム・クリリッシュ・テフニカ
【合弁企業】
イーストテレコム(通信)、スーパーアイマックス(通信)、サムオート(中型バス・トラック組立て)
日本の対ウズベキスタン貿易
輸出 : 79億円(自動車、ゴム製品)
輸入 : 324億円(金、綿織物等)
日本からの直接投資:14億円(2008年日本銀行統計)
在留邦人:121人(2009年10月現在)
在日人数:655人(2008年12月現在)

ウズベキスタンの経済状況

主要産業は綿花栽培。また、天然資源にも恵まれ、天然ガス、ウラン、金などが豊富である。第一次産業が主体の経済であり、産業の高度化が課題とされている。

独立当初より、市場経済化については漸進的なアプローチを採用した結果、CIS諸国の中では独立後の経済の落ち込みは比較的緩やかであった。GDP成長率は2004年から2007年まで4年連続で7~9%の高水準を維持した。

主要産業:綿繊維産業、食品加工、機械製作、金、石油、天然ガス
GDP:279億ドル(1人当たり1,029.7ドル)
物価上昇率:12.7%
失業率:0.4%
総貿易額 輸出:104億9,000万ドル、輸入 72億1,100万ドル
     輸入:72億1,100万ドル
主な輸出品目:綿花(26.6%)、エネルギー製品(11.5%)、金(9.6%)
   相手国:ロシア、ポーランド、トルコ、カザフスタン、ハンガリー、中国、ウクライナ
通貨:スム(Сум:1994年6月27日導入)
為替レート:1ドル≒1,693スム(2011年3月現在)

アラル海問題

カスピ海の東方にあり、ウズベキスタンとカザフスタン両国にまたがる塩湖。その総面積は、1960年頃までは66,100km2。かつては日本の琵琶湖の100倍の世界第4位の大湖であったが、今や面積は4分の1に減少し、水量は10分の1となってしまった。

アラル海にはアムダリヤとシルダリヤの大河川が流れ込んでいるが、沿岸での灌漑事業が進むにつれて、湖への流入量が激減した。その結果、湖面の縮小が著しく、湖水の塩分濃度も上昇した。これは漁業への打撃だけでなく、乾陸化した湖底の塩分が撒き散らされるために、農作物や住民の健康にも大きな被害を及ぼしている。

また、それは気候にも影響を与えている。以前のアラル海は、秋冬にシベリアから来る寒気や夏の暑さを和らげる役割を果たしていたが、現在は冬が寒く長く、夏は暑くて短くなってしまった。

現在、アラル海やその周辺の問題は国際的な環境問題に及ぶ危機になっている。

自然について

ウズベキスタンの地形は、国土の70%が平地。その殆どが西北部のキジルクム砂漠である。また、東から東南には、天山山脈の支脈アライ山脈やザッキール山脈などが迫り、最高峰はタジキスタン国境の4,782mの山。高低の山々と緑豊かなフェルガナ盆地もある非常に多様で印象的な地形である。

ウズベキスタンの気候は、南部は亜熱帯地域で、他は典型的な大陸性気候である。冬は、積雪量は少ないが寒く、夏は暑い日が続き晴れの日が多い。年間の平均気温は+12~+18℃。冬の平均気温は-10~+3℃。夏は平地や山地での平均気温は+25~+30℃。7月の初めから8月にかけてチッラと呼ばれる酷暑期には+45℃を超えることもある。

ウズベキスタンの素晴らしい自然は、様々多種の動物や植物の世界である。現在、ウズベキスタンには10ヶ所の自然保護区があり、草原の砂丘、花咲くオアシス、川、草原、珍しい環境と地形から形成されている。特に砂漠のアイダルクル湖、フェドチェンコ氷河、古代から残存する中央アジア産の杜松(ネズ:ヒノキ科の常緑針葉樹)の林などであろう。

ウズベキスタンには、登山やトレッキング、フィッシングなどエコ・ツーリズム愛好者を誘う多くの自然がある。